「成均館儒生たちの日々」 トキメキ度高し!

※当ブログでは商品・サービスのリンク先にプロモーションを含みます。また、記事には広告を含むものもあります。ご了承ください。

韓国ドラマトキメキ☆成均館スキャンダルの原作本「成均館儒生たちの日々」(上)(下)を読了しました。ドラマよりもトキメキ度は高かったです。

44032205684403220576

ドラマから見た原作との違い

ドラマでは見せ場を作っていかなくてはいけないことから、ストーリとしてはソンジュンとユニのラブストーリをメインに、金縢之詞の謎を横糸に、ところどころに大射礼などのイベントを取り混ぜているという構成。

また、ドラマの登場人も花の四人衆(原作では滴る(チャルグム)四人組)以外に、原作では登場しない対立する悪役としての掌議ハ・インス、原作では少ししか出てこないヒョウンがもう少し存在感を増して登場したりしていました。

ラブストーリ一辺倒ではなく金縢之詞の謎という横糸で多面的な物語となっていて、これはこれでありですが、トキメキという観点からはややトキメキ度が薄まってしまったかなと感じています。

原作ではどうなのか

つまり、原作では滴る(チャルグム)四人組に絞っており、男装のユニとそれになかなか気づかないソンジュンのラブストーリでほぼ構成されたものになっています。

登場人物の性格については原作とドラマはほぼ同じ設定と思われますが、ソンジュンはより完璧な男性であるのに対して、ユニはすぐ泣く癖にソンジュンの危機に際しては気丈な一面(自分では烈女と称している)を見せる本当はかなり強い女性—でないと男ばかりの成均館に入るなんてことは考えないよね。ドラマより一レベルくらい気丈な女性として描かれているように感じました。

ヨンハとコロはドラマのまんまです。

では、ラブストーリーだけ?

時代設定を改革派の正祖で、男装の女性ということでラブストーリーばかりではなく、ひねったような仕掛けもある。上巻の最後の方で四人が酒場で議論するシーンで

酒を遠慮するユニに筍子の言葉を引用してヨンハが「そもそも天地が万物を生ずるにはもとより余りがあり、人を養うに足る。過ぎた節用は経済を発展させず、むしろ窮乏を招く」と勧める。

ソンジュンは管子の言葉を引用して、「陸墓を美しくするのは文明のため、棺を大きく作るのは大工のため、多くの経かたびらを作らせるのは女工のため」と言って同意はするのですが、この世に贅沢なものがどれだけあふれていても、民が天のように大事にする米には余裕がありません。酒を好まないおれがあえて民の天を減らす必要はないと断っています。

ユニはこの地の民は足りないものばかりだ、として、大学から「財を生ずるにも大道あり。多くの者が働いて少ない者が消費し、急いで生産してゆっくり消費すれば、財は常に足るのである」とあるが、ありえない。民はゆっくり消費する財もないのだから。持てる者はすべてが豊かで、持たない者はすべてが足りないと言っています。

現代に当てはまる経済論と格差社会について論じています。この時の議論について大試の後に実施される科挙合格者の順位付けするための試験となる殿試で問題として出されることになる。四人組がどんな回答を出したのか興味のあるところだけど本作では描かれていない。続編の奎章閣閣臣たちの日々 に描かれていないかな?

韓国ドラマトキメキ☆成均館スキャンダルを楽しめた人は原作もぜひ読んでみてください。ユニのソンジュンに対する恋心の切なさが伝わってきますよ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました