宮廷女官チャングムの誓い　第51話　「医術の心」　字幕版

今回のチャングムは「母の愛は天然痘より強し」

キョンウオン王子(慶源大君、後の明宗　1534年-1567年)が危篤であることを長官が報告すると、中宗と皇后はチャングムをおきざりにして速攻で王子のもとへ。今回の皇后は政治的な計算をした行動を最初はするが、自分の息子がなかなか完治せず、むしろ、天然痘と判明してからは皇后から子を思う母親になってしまい普段のクールさはすっとんでしまう。

今回はチャングムの隠れテーマである母の愛が中心となった回であるが、その影で王の愛が芽生えつつある回でもあった。しかも、字幕版を見ているとNHKのカットにより王の愛の芽生えとも言うべきシーンがばっさりとNHK版のチャングムからはないことに気づいた。これはないよーーー。

と書いた自分は過労と風邪でダウン寸前で地上波をリアルタイムで見れずに字幕版でしのぐ。チャングム(ヨンエさん)に介抱してもらいたい・・・・。

宮廷女官チャングムの誓い (特別編)

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BSの時の感想は、宮廷女官　チャングムの誓い　第51話「医術の心」 でどうぞ。

皇后と母親の間で

キョンウオン王子の様子を見に行った皇后は気が動転して、保育尚宮にキョンウオン王子の様子をちゃんと見ていないとお怒りモード。

さらに、チャングムに診療を任せたらと勧める中宗に対して、「いやです。大君の病を医女などに任せるのですか」チャングムに自分の治療を任せたのにと言う中宗に、それは内医院で信頼できる医員がいなかったからと言い募る皇后。

「世子(世継ぎ、東宮のこと)でも同じことを?」と逆切れする皇后に「それは誤解だと」あわてる中宗。「誤解なさっていることは存じています。チャングムに殿下や世子、皇太后の病に関して、内医院のことを密偵しろと私は命令しました。チャングムは断ったので、厳しいことを言いました」と、45度ほど皇后がチャングムに命令したことを捻じ曲げて言い、チャングムにそんな命令をしたのはキョンウオン王子に対するのろいの札のためですと、一体いつそんな札をジャストタイミングで取り出せるのと思う準備のよさ。

これで、中宗は面と向かって皇后にチャングムに世子を静かに逝かせておやりと言っただろうとは問い詰められなくなってしまった。

皇后はなぜ、チャングムに治療を任せると中宗に言わなかったのか? BSのときにも疑問として書いたのだけど、もう一度追加を入れながら理由の候補を列挙してみる。

1. 皇后も当時の常識から抜け出せずに医療技術は医務官の方が上だと思っている
2. 中宗が庇おうとしているチャングムをとりあえず避けた
3. 単に密偵しろと命令しただけだと言いたいためにチャングムはいやだと言った
4. 女の直感で、中宗がチャングムに想いを寄せていると感じたためチャングムに嫉妬したので拒否

1+3のような気がしています・・・・。

クールな皇后でいたのもここまで、キョンウオン王子が天然痘と判明して、治療が困難を極めると半狂乱となってしまう。皇太后に「息子の母親であり、王の妻でもある」とたしなめられて一旦は引く。しかし、なかなか直らないのでとうとう隔離されているキョンウオン王子の病室へ入ってひしとわが子を抱き

王の愛の芽生え

チャングムが活人署行きを命じられて宮から出ようとして池のそば(多分、昌徳宮の芙蓉池)を歩いているところを中宗は見かけて呼び止める。中宗は中宗が王になる前に幼いチャングムが酒を届けにきたときのことを話し始める。「余が苦悩していると申したそうだな?」「余は悩みはせず、ありがたくもらった酒を飲んだ」「お前のことを考えた」「余は宮に行きたくなくて、苦悩しておるというのに酒を飲んで目覚めたら王になっていた。お前が酒さえ持ってきてなければ余は王になっておらん」

「だから責任を持て」

「責任ですか?」とチャングム

「そうだ責任だ。お前は余を送り込み入れろと駄々をこねた。自分だけ抜けるつもりか」

はははと笑って去っていく中宗。このあたりから中宗はチャングムを意識しだしているのだろうな。

母の愛により天然痘を出し抜く

再び活人署に配属となったチャングムはやってきた病気の子供を診て驚く。天然痘だ。チャングムは以下の手を打つ

1. 全ての天然痘の病人を隔離し、自身が治療にあたる
2. ありとあらゆる予防法を民へ伝え、かつ、無料で薬材を配布

これらは天然痘をこれ以上広がらせないという処置。 すでに感染したものへの対処は、対症療法を行う。抑えるのではなく、むしろ、その症状を促進させるような処置を実行。つまり、人間の持つ自然治癒力を最大限引き出すという治療方針を行ったものと推測される。

実際に実行を指揮したのはチャンドクさんと思われる。チャングムがアイデアを出して、それを実行計画レベルにWBSに落として実施したのだ。まさに管理職もしくはPMの鑑だなー。

さらに、ここではチャングムのパワー(母の愛)によって治癒が加速されたものと推測(邪推)を進めたい。あの抱っこパワーにより子供は治癒したのだ。あながち、ないとも言えないと・・・・思う。

ミン最高尚宮が「周囲が健康でこそ病人も治るのです。周囲が治ると信じてこそ病が治るといいます。あきらめてはなりません」の言葉に皇后はチャングムの言葉を見出す。

皇后は皇后としてではなく母親の直感として、チャングムに頼るべきだと思い、自分のチャングムへのさまざまな雑念は一旦おき行動。チャングムのいる場所へ現れて「息子を治して」とチャングムの手を握りストレートに母親としてお願いする。

内医院の和合

チャングムの医術に対する真摯な態度と実際の行動と結果により、あれほど嫌っていた医女たちが嬉々として手伝う。知恵と努力を結集してキョンウオン王子をとうとう完治させることに成功。

母親として喜ぶ皇后。皇后はチャングムに人の病気を利用して逝かせておやりとチャングムに命じたことを反省し、チャングムにわびる。そして、「お前の力になろう。今後はお前の医術を存分に広めなさい」と確約する皇后。

チャングムが皇后というしがらみを絶った瞬間である。

新たなしがらみ

 チャングムが今回の天然痘に対して打った打ち手に感心した中宗は主治医のみならず官職を与えることにする。大反対する重臣たち。そんなことはおかまいなしにチョンホに辞令を出すように命ずる。チャングムに新たなしがらみが出来てしまった。

チャングムが子供を抱っこして寝入っているところをシン・イクピルが見つめているシーンは好きなシーンです。シン・イクピルは何を思ったのでしょうね。

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