主催: 駐日韓国大使館 韓国文化院さんが行った映画「道~白磁の人~」を観てきました。
■ 監 督 : 高橋伴明
■ 出 演 : 吉沢悠/ペ・スビン/酒井若菜ほか日本統治時代の韓半島で植林事業に勤しみながら、美術・工芸品の保護、学校建設などに私財を投げ打った実在の林業技師の日本人青年・浅川巧の半生を描いたドラマ。
私、この映画のタイトルでとてつもない勘違いをしていました。浅川巧は朝鮮の地で植林した人というのは理解していたのですが、ペ・スピンが演じるチョンリムは白磁を作る人だとばっかり思い込んでいました・・・。思い込みを正せてよかったです。白磁の人=浅川巧なんですね。
映画「道~白磁の人~」では浅川巧の成したことではなく、その人となりを描いた映画です。
- 木を植える目的を問われて、「山の緑を戻すため」と言い切り、家を作るためとか線路の枕木のためとか近視眼的なことを言わない。
- 兄の家で白磁を見つけて、目から音楽を取り入れるようだと形容する。
今風にいえば天然系かつ本質をズバリと捉えて、他人が何を言おうがぶれない人。
偉人を描くって、その人のことを劇的に描きそうだけど、この映画は淡々としている。でも伏線を上手く張って観衆の心を劇的に盛り上げてしまう。
- 浅川巧の母がどうして朝鮮人は大きな声で泣くのと嫌ってるシーンを描いて、後半にその母が浅川巧の死で隠れて号泣するところに朝鮮人のおばあちゃんがやってきて、泣けばいいのよと慰めるシーン。
- 浅川巧が一緒に働いていた朝鮮人の工員の葬式で行列に加わろうとして、チョンリムから断られるシーン。それに対して、浅川巧の葬式では多くの朝鮮人が家にやってきて、棺を担がせてくれと言うシーンの対比がジーンときてしまいます。
- そして、浅川巧が余命いくばくもない時にチョンリムに面会して、一言、言いたかったというシーン。その一言とはチョンリムから最初に教わった朝鮮語のカムサムニダ(감사합니다)—ありがとう。
ことさら、泣かせようという演出ではなくて、浅川巧の人となりを描くための演出だと思うけど泣いちゃいますよ~
そうそう、彼がなしたことをきっちりと説明しているシーンが一つありました。それは、チョウセンゴヨウマツなどの種子の発芽を可能にする、「露天埋蔵発芽促進法」の研究です。これは映画でも浅川巧がペ・スピン扮するチョンリムと一緒に山を歩いて自然に学んだ結果開発された技法だとのことです。詳しくはこちら→ご存知ですか – 見聞 – 浅川 巧~朝鮮を愛し、愛された日本人~(その2) – ひろげよう人権
日本人と朝鮮人という二つの民族が分かり合うにはという視点で色々と考えさせられる映画でした。
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