「女たちの韓流」 冬のソナタ編

女たちの韓流――韓国ドラマを読み解く (岩波新書)
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オヤヂであっても「女たちの韓流」を読んでます。著者は山下 英愛さん・・・そうです、イ・ヨンエさんのヨンエを漢字で書くと英愛です。韓流ブームの前ではだれもヨンエとは呼んでくれなかったけど、韓流ブームが到来するとイ・ヨンさんと同じなんですねと分かってくれる人が増えたと書かれています。

韓国の梨花(イファ)女子大学校女性学科博士課程終了、博士(国際関係学)。専門分野は韓国文化、女性学 / ジェンダー論。

さすがにドラマに対する読みが深いです。目から鱗が落ちる状態です。その中でも、読んでいて、えぇ~と思ったのが

「第三章 母親の権利を求めて」 1 未婚の母の苦悩 冬のソナタ

でした。チュンサンの母親であるミヒは扱いとしては悪女的な扱いだし、見ている方も息子の記憶を勝手にすり替えてしまうし、チュンサンの父親がユジンの父親だと思わせてチュンサンとユジンの愛を邪魔したということで悪女としてのレッテルが貼られても仕方ないというのが一般的な見方(でいいかしらん?)

冬のソナタは紛れもなく純愛物語だけど、これを「未婚の母(=ミヒ)」と「私生児(=チュンサン)」の物語という、ちょっと違った視点で眺めると別の姿が現れてくると著者の山下 英愛さんは指摘する。

当時の韓国は戸主制があって子供は基本的に父親のものであった。ミヒが未婚の母として、チュンサンが私生児として生きるには韓国は厳しい社会であった。だから、ミヒとチュンサンは米国へ生活の拠点を移そうとしていた。

そして、ミヒはチュンサンに父親は死んだと嘘を言い続けている。それはそのように言わなければ父親が誰かがわかると当時の韓国ではチュンサンは父親のものになってしまう可能性があった。既婚男性は妻の同意なく婚外子を戸籍に入れることができたのだ。

つまり、キム・ジヌがチュンサンを我が子として認識したら問答無用で自分の戸籍に入れることができた、しかも、合法的に。

ミヒがチュンサンを手放さずに育てるためにはチュンサンの父親が誰かがわかってはいけないのだ。だから、チュンサンには父親は死んだとするしかなかった。

このあたり、韓国の最近まであった戸主制について理解していないとミヒの行動が表面的な理解になってしまうというものですね。

この「女たちの韓流」というタイトルは韓流ドラマに登場する女性を指しているんですね。ですから、シングルマザーの問題だけではなく、女性差別や子育てなど様々な切り口で韓流ドラマを分析しています。

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