ファン・ジニ 映画版を9月27日土曜日–公開初日に109シネマズ川崎で鑑賞しました。
ファン・ジニ 映画版はヒロイン役のファン・ジニに「秋の童話」「オールイン」「フルハウス」のソン・ヘギョ、相手役に「美しき野獣」のユ・ジテ、監督はチャン・ユニョン、そして原作は北朝鮮の作家 ホン・ソクチュンのファン・ジニです。
15:45の回に観ましたが、ほぼ満席で観客は比較的年配の方々でした。きっと、韓国映画のファンの人たちが集まったのでしょう。
ホン・ソクチュン
朝日新聞出版
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単行本
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さて、テレビ版のファン・ジニと映画版のファン・ジニの勝負やいかに?
結論からすると映画版は失敗作です。テレビ版には遠く及ばない出来栄えです。
ノミの存在
ファン・ジニの幼なじみで、黄家の使用人、後の執事、さらにその後は・・・。ノミの存在がファン・ジニの存在感を薄める効果になってしまっている。ファン・ジニは自らの才知と美貌により体制の両班を手玉に取るという部分を期待する。ところが映画版ではノミが義賊となってしまい反体制として活躍してしまうものだからノミの活躍の陰にファン・ジニが隠れてしまう。相乗効果が期待できればいいのだけどファン・ジニが義賊–ノミの支援者として行動してしまうものだから余計に陰となってしまう。
キーセンとしての印象の薄さ
映画版のファン・ジニではかなり大きくなってからキーセンの世界に沈むことになる。キーセンになるきっかけもテレビ版では舞を舞いたくて入るのだけど、映画版では下女との間の子供であるという出自が世間にばれてしまい、親子の縁を(今まで実の母親と思っていた)母親から切られてしまうことによる。つまり、テレビ版ではポジティブな夢を抱きキーセンになっているが、映画版では負の感情を抱いて、沈むという表現でもって入っている。映画版の方が史実に近いと言えるのだろうけど、負の感情でキーセンになっているおかげでファン・ジニが目指しているものというのが観客に取ってわからなくなってしまい一体ファン・ジニはどうしたいのか分からない中でストーリが進行する状態。かなり不安定な状態で見せられているので感情移入ができませんでした。
ファン・ジニが舞を舞うシーンって、なかったのかな。演奏するシーンも少なかった。
史実のエピソードの軽さ
有名なエピソードの扱いがあまりドラマチックではなく軽い扱いになっているのが不満でした。
- ピョクケスとの対決。ファン・ジニが両班をやり込める唯一のシーンと言えるが、結局は長官のお遊びに従うためにやっただけ。そこにファン・ジニとしての矜持は感じられない。
- ファン・ジニを恋するあまり死んでしまった男の棺が家の前で動かなくなる。両班のお嬢様から身分いやしき女になることへの気持ちの吹っ切りを表現しているのかと思うがあまり盛り上がるシーンになってない。
- ソ・ギョントクとの出会い。三絶のことを長官にファン・ジニが啖呵切るシーンで口にするがそのためだけにソ・ギョントクとの出会いを描いたとしか思えないような中途半端さ。
不満の残る映画です。韓国での興業成績は100万人を越えたくらいで、微妙な成績だったのもうなずける出来でした。
コメント
stanakaさん、おはようございます。
映画版、やはりTV版の後だとかなりご不満だったようですね。
どうしても原作者さんが北朝鮮という国家体制の人である以上、イデオロギー的な部分が先行し過ぎてしまうのでしょう:-(
以前劇場上映情報を書いた記事、TBさせていただきますm(__)m。
待望の「ファン・ジニ 映画版」日本上映は決定したけれど(-_-;)(9/26・一部追加情報あり)
企画4年・撮影7ヶ月にして、北朝鮮の金剛山でのロケも話題になっていたソン・ヘギョさん主演の大作時代劇「ファン・ジニ 映画版」
猫型人間さん、こんばんは。
イデオロギー的な部分はあまり感じませんでした。ノミの義賊的な行動がそれにあたるのかな?
今度、原作にあたってみたいと思います。