「聖女の救済」 書評

今回の聖女の救済は「恋する草薙」

草薙が誰に恋するって? そりゃー、容疑者ですよ!! 内海薫は湯川を捜査に協力させるために草薙が容疑者に対して特別な感情を持っており、そのために草薙に黙って湯川に協力依頼したことを言って湯川をその気にさせる。

今回の事件は容疑者Xの献身の後日談なんていうセールストークもあったが、物語の内容としては関連していないのでこちらを先に読んでも問題ない。

内容に入る前に作者のお遊び的な表現を紹介しておく。

  1. 内海薫が山陽本線の電車のなかでiPODで聞く音楽は福山雅治の音楽。
  2. 湯川がアルマーニを着ている。大学の准教授ってそんなに給料いただいているのかな? 独身だから?
  3. 草薙と湯川が久々にバトミントン対決。体型を保っている湯川にウェスト9cm増やした草薙。
  4. 間宮が内海に対して「でかい声で、ぎゃんぎゃん吠えるな」と言うシーン

テレビドラマとかなりシンクロしちゃってる感じ。

推理小説をあまり読まない私の読後感としては、思いつかなかった!!やられたーって感じです。発想は柔軟にしておかないといけないと感じた次第。

以下、ネタバレしないよう注意して書いたつもりだけど気になる人はここで読むのをやめてアマゾンで購入しましょう。

キャッチコピー風に書くと、

  • 結婚して1年以内に子供ができなければ別れようと被害者である真柴義孝より言われた妻の綾音
  • 真柴義孝と不倫していた綾音の助手の若山宏美
  • 容疑が濃厚な綾音に特別な感情を抱いてしまった草薙
  • 草薙の綾音に対する特別な感情を敏感に察知した内海は独断で湯川に捜査依頼する

相変わらず東野圭吾の書く小説にものすごくピーキーに偏った人物が登場する。その一人が被害者である真柴義孝。真柴義孝は妻には子供を作ることしか期待していない男だった。

その真柴義孝は毒殺で死亡する。毒が検出されたのはコーヒからのみ。コーヒが入れられたその時間、有力な容疑者である綾音は実家のある北海道にいたのだった。どうやって、毒を入れることができたのか?

その謎解きの面白さもさることながら謎をといていくための手がかりを注意深く女性らしい観察力で見つけて行くのが内海。手がかりをものにするのに躊躇いという言葉は内海にはない。若山宏美の取調べをして車で家まで送って、その帰りに時間を置かずに電話を入れてあることを確認するなんて抜け目が無い。内海みたいな女性と付き合うと絶対に隠し事はできません。

そして、徐々に解明されていく犯罪のトリックと人間関係。人間関係の部分の解明のプロセスも面白いです。

一気に読んでしまいましたが本当に面白い小説した。読んで損はないですよ。

コメント

  1. 自由の森学園図書館の本棚 より:

    読書メモ(本) 『聖女の救済』

    『ガリレオの苦悩』とほぼ同時に『聖女の救済』を読みました。ガリレオシリーズの長編第二弾です。
    とても面白かったです。読み始めてから読み終わるまで釘付けになってしまいました。『容疑者Xの献身』と比べて、ラストはそこまで盛り上がらないような気がしたけど、今回の犯人も「凄い」人です。よくぞそこまで自分の行為を貫徹できたなぁ、と感心します。
    犯人は、ガリレオと張り合うほど頭が良いし、しかも根気もある女性です。最初の部分ですでに彼女が犯人であることはほのめかされているのですが、どうやって夫を…

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