今回のハケンの品格は「派遣とリストラの間で」
今回のハケンの品格を
- 派遣によるリストラ問題を大前春子の情にもろい一面を見せつつ描いた
- 単なるハケンという流行もののテーマに浪花節というミスマッチなテーマを大前春子のスーパハケンぶりの一端を見せつつ描いた
のどちらを脚本家は意図したのだろうか。どちらであっても脚本家はハケンという現代風のテーマを出しながらも企業の最近のトレンドは全く知らずに描いた駄作といえる。よくもまあこんな風に描けるものだと感心してしまう。
その中で大前春子を演じている篠原涼子はがんばっている。彼女の演技を見たいので引き続き見るモチベーションを維持している。
うちの奥さんは、最後はほろっとしたはね・・・なんて言ってます。私は期待とは違う方向に行きそうな予感がしてきたのでちょっと引き気味。
嘱託社員–小笠原 繁
パソコンを使えない小笠原にいらいら感を隠そうとしない大前春子。今時、マウスをあんな風に使うか・・・。まあ、10年前にはマウスを上へと教えると本当にマウスを持ち上げる人がいたのには都市伝説ではなかったのだと思ったことはあるが。
今回は彼に焦点があたって物語りは進行する。部長の桐島は里中に小笠原の嘱託契約を打ち切ることを本人に伝えるよう命じるところからスタート。小笠原はかつては営業として活躍したそうだが今は昼行灯。小笠原を巡る問題点は以下の点にある。
- 仕事をしていない。その象徴として、パソコンが使えないことが描かれている。もちろん、今の世の中、パソコンを使えないというのは電話が使えないに等しい致命傷だ。もちろん、パソコンが使えなくても小笠原の経験やスキルを生かした仕事が出来るはずなのにしていない。
- 小笠原を監督する立場である里中賢介も管理者として責任を免れない。小笠原を戦力として働かせる責務を会社に負っているのに責任を果たしていない。
1に関して言うと、10年前では大手企業でも一人に一台パソコンを導入したいと稟議を上げてもなかなか決裁されなかった。当時の導入を叫んだ担当者は電話を購入するのに、ぐだぐだと大変な稟議書を書くことはない。パソコンは電話と一緒なんだと言われていたものです。そうなんで、パソコンは電話と一緒。
2に関して言うと、大前春子が言っている「会社に甘えて危機感がない」というのはツボにはまった言葉だ。自分はどんな付加価値を付けられるのか? 会社に自分は貢献できているのかを常に考えて仕事するべきだ。貢献できていないとしたら給料ドロボーだ。自分のする仕事が無いのであれば見つけてこないといけない。それでもないのなら・・・・「会社に必死にしがみつく」ことをしますか?
だめ会社S&F
国税からの指摘で99年度の伝票を探すのに販売二課を上げて探しているのはお笑い。この会社は伝票の管理をどう考えているんだ。 ただ、7年~8年前だと微妙なんだが。このあたりの書類は7年保管と法律で規定されている。期限が切れたので廃棄してないとつっぱねることも可能。
興味のある方は帳簿等の保存期間を参照してください。
もう一点、小笠原のように仕事しない人を今まで雇っているコスト意識の無さ。義理人情で継続して雇用していくというのは浪花節で受けるでしょうが、その人のコストまで稼ぐのに多くの社員が無理しなくてはいけないし、下手すれば共倒れになりかねない。管理職は全てのリソースを金に換えられるように努力しなくてはいけない。
森美雪の成長
パソコンに慣れたようで、必要なアウトプットを早く出せるようになった模様。もう少し、森美雪の成長に焦点を当てて欲しい。
大前春子の不思議
エレベータの資格(昇降機検査資格者)まで持っていたというのはもう驚きはすまい。 むしろ、前から驚きと不審を持ってみている仕事が「企画書」の作成。
企画というものは会社のコアになるものなので、正社員がすべき仕事でハケンがするものではないというのが私の考え。もちろん、企画書を作成する上で必要なデータ集めやラフに書いたメモから企画書を仕上げることはあってもいい。しかし、根幹となる企画そのものは正社員が行うものと思うのだが。
さらに言えば、里中賢介が企画に対する想いを語っているのを聞いたことがないのだけど。マーケティングの主任であれば熱い想いで語れる企画があるはずだが不思議。単なる営業のお手伝いしているだけか。
さて、来週は被り物の大前春子が見れそう・・・。
コメント
おはようございます。
TBありがとうございました。
と、お礼だけ書くつもりでしたが、
”ハケンの品格”の記事面白くて全部読んでしまいました。
私も毎回このドラマは、「?」が多いのですが、
なぜか最近はそれが楽しみになっています。
これが、”はまる”ということなのでしょう
また、おじゃましま~す
ちなみに、チャングムにもはまりました。
こんにちは~
これを見る前に、同じような会話を銀行さんと話していました。>「会社に甘えて危機感がない」
建設業の方は、自分のお給料が自分の働きがいくらあって、いくら売り上げていただけるのかを考えていない人が多いと言う内容だったのですが・・・現場の者だけではなく、管理者も労務費=給料で積算しているからOKと思っている方が多そうです。
帳簿でまたもやずっこけてしまいましたが、こんな会社沢山あるかも・・・とも思いましたよ(笑)
春子さんの不思議は、製作者の気持ちはわかりませんが、正社員にしたい人材だから???
前回そのような話があったような???
現実にも正社員さんより頼られて、重要なお仕事をし、派遣から契約社員になった方はいますよ。
契約社員なのは、すぐに正社員にはできないから???
うちなんかは、派遣を雇うより正社員を雇った方が安いので、夢は派遣さんがいる会社にする事?(笑)
「ハケンの品格」第5話
第5話「お時給インベーダーvsナマコ大先輩」 視聴率18.6%
こんばんは。トラックバックありがとうございます。
そうそう「小笠原の経験やスキルを生かした仕事が出来るはずなのにしていない。」これですよ、これ。
まだ「仕事は何でもできるけどパソコンが使えないからリストラ」なら同情の余地があるのですがね・・・。
ハケンの品格 第5話
なーんかなんか今回も『ありえない』がいっぱい詰まってた ような気がするぅ。 どこの会社でも定年後は嘱託っていう制度はありえるとは思うんだけど 家族もあって、ほんとに養わなきゃいけないっていうなら (ってゆーか、あの年齢で奥さん以外に養うべき子がいるか!?) 年だからって言い訳しないで、パソコンの勉強くらいするよね? わからないからって、のほほんと座ってるだけなんていう人を 派遣の森ちゃんの時給より高いお金払っておいておくのは いまどきありえないよー (よほど偉い身分とか、昔ながらの会社ならありえるけど) 昔は営業でバリバリ働いて会社に貢献してたのかもしれないけどさ 今はお荷物でしかないんでしょ。ナマコでしょ。 (って、口に出さなくても思ってるわけじゃん) 昔お世話になったからというのもあり、クビから庇おうとする、 人間的な気持ちはわかるけど 会社って仕事をして、利益をあげることによって、 働いた対価として給与を払ってるわけだから、 働かない人をおいとくのは、おかしいよね。 だから、そういうのを曖昧にしたまま同情してるより、 事実をきっちりつきつけてありのままをハッキリ言うのは、 べつに非難すべきことではないと思うよ。 くるくるパーマって、会社を愛してるとか言うけど、 そんな人(=ナマコ)ばかり飼ってたら、 あんたの好きな会社はつぶれるよ と言ってあげたい。 それにしても、エレベーターの資格も持ってるし お荷物だと断言する割には、 花をもたせてあげようとするところは、 大前さんならではなんですな。。。 正社員なら会社にしがみつくべしとか 契約終了してハイさよならは派遣の専売特許とか 啖呵切るのもかっこよかった。 言ってることとやってることが一致しないってのは やはりしがらみとかを切り離せない、 大前さんの優しさなんでしょうね。 その辺、ケンちゃんは、若いながらにわかってるっぽいが くるくるパーマは、もう一度新入社員からやり直すか、 人間やり直した方がいいぞと思うくらい、わかってないね。
こんばんは&はじめまして。
先日はTBありがとうございました。
記事も興味深く読ませていただきました♪
ほろりときたとおっしゃっている奥様に
ちょっと親近感(笑)。
…確かに小笠原さんのような仕事のしなささで
会社にいられるって現実ではありえないですよね~。
かなりデフォルメされたキャラが多いドラマとして
楽しませて頂いております。
昨日のNHKの団塊世代とそれ以外の世代の人たちの
対話もおもしろかったですよ。
定年後の団塊世代を雇うことの是非とか議論されてました。
他の方にはそれぞれのサイトでレスポンスさせていただきましたが、okoさんへは応答遅れしまいました。
労務費=給料というのは賃金以外の人件費を計算していないということでしょうか。まあ、新卒をとるようなところや投資をする会社だとその分も稼がなくてはいけませんしね。
>派遣を雇うより正社員を雇った方が安い
これも文字通り受け取るわけにはいかない言葉ですよね。雇用してしまうとよっぽどの理由がないとやめさせられないので、人を雇うというのはリスクの高い投資。人を見る目や人を使うスキルがないと言えない言葉です。
ちょっと、端折って書いてしまいましたね(笑)
零細企業には、派遣さんは制約が多くて、リスクが大きくなりがちです。
かといって正社員という事になりますが、ここはそこそこの会社によって考え方もちがうでしょうね。
ほんと、辞めさせられません(ーー;)
うちも正社員のほかに、季節雇用、5月から12月までの派遣さんと、色々な雇用がありますが、気がつけば正社員が増えていました(笑)
毎年、夏場の派遣作業員を見ていると・・・同じ仕事内容で、支払うお金は正社員の1.5倍です。
事務に関しては、派遣さんに頼むよりパートを募集した方が明らかに安い。
しかし、これは北海道という場の建築業で、零細企業だから・・・そこから抜け出して小企業になるには、正社員を増やして社員教育をすることが必要ということでした(o^∇^o)ノ
okoさん、こんばんは。
やはり実際に経営されていると視点が違いますね。教科書どおりにはいかない。規模が小さいと派遣は不向きなのか・・・。福利厚生やら退職金など考慮に入れても派遣の方がコストアップになります??
教育するというのも大変だと思います。以前、うちの親会社だったところは就業時間の1割を教育に当てることを掲げましたが、なかなかそんなにはできなかった。