記憶が心にしみる
「夕凪の街 桜の国」を試写会で観ました。「夕凪の街 桜の国」は、こうの史代作の漫画。映画を観るまでそんな漫画が存在し、韓国、フランス、米国で翻訳されて出版までされているなんて知りませんでした。原作の漫画は読んでいないので映画のみを観ての感想となります。
広島で被爆した3世代に渡る物語。原爆漫画というと「はだしのゲン」が有名ですが、「夕凪の街 桜の国」は声高に原爆のことを叫ぶのではなく、被爆したことを通してそれぞれの想いと前向きに生きていく情景を描くことにより、心をゆさぶられる作品になっている。泣けます。レビュー書いてて、記憶がよみがえりちょっと涙が込み上げてきたりします。
こうの 史代
双葉社
¥ 840 (定価)
¥ 840 (Amazon価格)
なし (Amazonポイント)
(私のおすすめ度)
(Amazonおすすめ度)
単行本
在庫あり。
(価格・在庫状況は12月18日 15:30現在)
・この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)
・この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)
・この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)
・長い道 (Action comics)
・さんさん録 (1) (ACTION COMICS)
皆実と七波
昭和33年を生きる女性、皆実を麻生久美子、現代を生きる女性、七波を田中麗奈が演じている。七波の父親である旭は皆実の弟である。映画のパンフレットやスタッフロールでは田中麗奈がヒロインの扱いだが、実質的には圧倒的に麻生久美子がヒロイン。皆実が昭和33年の皆が貧しいながらも懸命に生きていた時代で、被爆したことを背負いながらも前向きに生きていた演技がなければこの映画は成立しない。田中麗奈演じる七波は父親の不審な行動をつきとめるために尾行することにより3代の家族の生き方を狂言回しのように語る役どころ。ラストでは弟である凪生と東子の間をとりもつキューピット役をやって将来への明るい希望を感じさせるラストにしている。
心に残るシーン
皆実が原爆について語るセリフ「原爆は落ちてきたんじゃない、落とされたんだよ」会話の流れの中で抑え気味のトーンでしゃべっているのが逆に胸につきささるセリフ。
銭湯のシーンで皆の体にケロイドがあること。普通の当たり前のシーンとして登場。これまた声高には強調せずに観ているものに感じ取ってくれとしている場面。
お地蔵さんの向かって右半分が削り取られている。映画では皆実たちがこの近くで川を見ながら語ったりしていて何回も出てくる。
皆実たちが住んでいる「原爆スラム」。私が幼少のころと時代的には完全に被る。確かにあのころは皆貧しかったけど、長屋みたいなところに住んでいた子供の自分は別に貧しいなんて思わなかった。周りも同じだったもんね。と、あのころを思い出した。
3つの恋の物語
一つ目は皆実と打越の恋。打越が皆実に好きな人への贈り物を見てくれないかと頼まれて選んだのが金魚の絵が入ったハンカチ。突き返されても涙を拭くのに使えるから選んだと語る。打越が渡した相手は皆実・・・べたな展開だけど皆実は原爆で妹をふくめて多くの人が死んだから自分は幸せになる資格はないと感じている。そのために打越を好きなのに臆病になってしまう。そして、皆実は被爆の後遺症で恋を成就させることなく死んでしまう。
次は旭と京花の恋。京花は旭の母親の手伝いをしたり、学校の勉強を旭にみてもらったりして、仲良くなっていく。しかし、旭が結婚したいと言ったときに、旭の母親である平野フジミは京花が被爆していることを理由に反対するが旭は転勤の時にプロポーズして結婚。京花も血を吐いて死亡する。
最後は凪生と東子の恋。東子は両親から凪生が被爆者の家系であることを理由に結婚に反対される。しかし、七波と一緒に旭の尾行に付き合って広島へ行き平和資料館の展示に衝撃を受ける。しかし、広島での経験から凪生との愛に正面から向かい合おうとする。
最後は希望を持たせるもので余韻をしっかりと残してくれる映画です。とても良いです。
コメント
夕凪の街 桜の国
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こんばんわ、
この映画は愛の物語ですね。
いない人への募る思いや、なくした家族への思いと、恋人への恋心。
世界に見せて、戦争による、心の痛みについて、みんなに考えてもらいたいですね。
NAOさん、こんばんわ
切ない愛の物語でしたけど、最後の東子と凪生との恋で明るい余韻を持った映画になっていてさわやかな感じを持ちました。
stanakaさん。
お久しぶりです。
チャングムの話題以外でコメントを書くのは初めてですね(笑
私も同じ試写会に参加していました。
うっかりしていると見逃しそうな作品ですが、試写会で知り、観ることができてよかったです。
チャングムのイベントやら何やらで結構同じ空間にご一緒したこともあるので、今回また同じ場に同席させていただいていたことが何だか面白かったりしています。
TBがうまく送れないようなのでURLをウェブサイトのコーナーに貼り付けておきます。
hyoutan2005さん、お久しぶりです。
同じ場にいたというのは結構不思議な感じがしますね。サイバーな空間とリアルな空間がつながっているような。
TBについてはちょっと調べてみます。
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【2007-109】夕凪の街 桜の国
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消し去れぬ想い
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夕凪の街 桜の国
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夕凪の街 桜の国
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No.100 夕凪の街 桜の国
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「桜の国」の時代を超えて原爆の記憶背負って
生きる女性の物語です。