ストレージ製品であるDrobo FSにはユニークな機能があります。Drobo FSはLinuxが動いておりそのLinux上で動作するアプリをインストールすることにより単なるファイルサーバにとどまらずアプリケーションサーバにもなることができるストレージ製品です。但し、あくまでも自己責任での使用となり保証なしでの提供となることには注意してください。
Drobo FS (5Bay/LAN) KMX-DRO-FS
DroboAppsにはどんなのがあるの?
DroboApps for the Drobo FS series of productsに一覧が掲載されています。
Apache
HTTPサーバ
DroboApps Admin Utility
The DroboApps Admin UtilityはDroboAppsのインストール、設定、更新、削除をブラウザからできるソフトです。2012/3/9時点で試してみたところ生成されているURLが間違っておりインストールできません。
FUPPES
FUPPESはDLNAをサポートしているA/V Media Serverです。
Fuppes多くのメディアフォーマットサポートしており、MP3 audio, 様々な静止画フォーマット、 AVI / DivX / MP4 など他の動画フォーマットをサポートしている。
Firefly
Fireflyはデジタル・ミュージックサーバです。
CTorrent
CTorrent is コマンドラインのbittorrent クライアントです。
- Dropbear
Dropbear はSSH 2サーバとクライアントです。
Lighttpd
lighttpd は軽くて高速な HTTPサーバです。
Pure-ftpd
Pure-FTPd はFTPサーバです。
Rsync
rsyncは差分による同期を行うソフトです。
Unfsd
UNFS3はNFSv3 サーバです。
Wake on Lan
本プログラムはWake-On-LAN (WOL) “Magic Packet”を生成して送信するものです。
Perl
Perl 言語
インストール方法
DroboApps Admin Utilityがうまく動きませんので、別の方法でインストールします。
まずはDrobo Dashboardで
Device Settings->Admin Settings
を開きます。画面下部にあるEnable DroboAppsのチェックボックスにチェックを入れます。そうすると「DroboApps」というフォルダーが作成されます。
DroboApps for the Drobo FS series of productsへ行きます。
上記の画面が表示されますのでApacheをまず第一にインストールします。インストールするには、
- “Download Now”をクリックしてZipで固めているプログラムをダウンロードします。
- ダウンロードしたZipファイルを解凍します。
- 解凍後にapache、apache.tgzが出来ます。
- apache.tgzをDroboAppsの直下に置き、Drobo FSを再起動する。
再起動が完了したら、http://Drobo FSのURL:8080/へブラウザでアクセスしてみてください。
This is a placeholder page for apache. Place your webpage content in DroboApps/apache/www.
If you are looking for droboadmin, you can find it here.
という表示が出たら成功です。下記のコードを書いたphpinfo.phpファイルを作成します。
<?
phpinfo();
?>
DroboApps\apache\www\ の配下にphpinfo.phpファイルを置きます。ブラウザで
にアクセスします。そうすると以下の画面が表示されましたのでphp言語が動作できる環境ということがわかりました。
一通り見ていると、仕方ないかと思いますがマルチバイトをハンドリングするmbstringがなかったり、最大メモリーが64MBというリミットが設けられています。
apacheのインストールと同様にして、DropbearをインストールしてSSH2サーバを稼働させます。そして、TeraTermなどでアクセスしてみます。
上記はtopでCPU負荷などを動作させながらDrobo FSに大量のデータをコピーさせたものです。あまり対してCPU使用率は上がっていないです。
# cat /proc/cpuinfo
Processor : ARM926EJ-S rev 0 (v5l)
BogoMIPS : 999.42
Features : swp half thumb fastmult vfp edsp
CPU implementer : 0x41
CPU architecture: 5TE
CPU variant : 0x1
CPU part : 0x926
CPU revision : 0
Cache type : write-back
Cache clean : cp15 c7 ops
Cache lockdown : format C
Cache format : Harvard
I size : 32768
I assoc : 4
I line length : 32
I sets : 256
D size : 32768
D assoc : 4
D line length : 32
D sets : 256Hardware : Feroceon-MV78XX0
Revision : 0000
Serial : 0000000000000000
cpuinfoを表示させてみました。CPUはARM926EJ-S rev 0 (v5l)ですね。組み込み用のチップです。
Drobo FSをiTunesサーバにしてみる
Fireflyを今までと同様にインストールします。DroboApps->firefly->media の下に音楽ファイルをコピーします。mp3でもAACでもポッドキャストでも構いません。
にアクセスしてみてください。認証画面がポップアップしますので、デフォルトのユーザ名とパスワードはmt-daapd and Drobo-FS です。そして、statusのタブに遷移してください。
Start Scanをクリックすると音楽ファイルをスキャンしてくれます。スキャンが終わるとstatusがIdleに変わったらiTunesを起動しましょう。
共有のところにfireflyのサーバが表示されますので選択してみてください。mediaの下にコピーした音楽が表示されます。日本語やハングルの曲名も問題なく表示されます。なお、iTunesのバージョンは最新の10.6を使用してください。一つ前の10.5xではうまく動作してくれませんでした。
こちらはLinuxのRhythmboxでアクセスしてみました。同様にfireflyサーバが共有に表示されています。
じゃあiPhoneからアクセス・・・なにでアクセスしたらいいんだろ? 「Simple DAAP Client」でアクセス可能になります。ただし、AACファイルを再生しようとすると落ちます。podcastもしくはmp3ファイルは問題なく再生できました。
これでルータに穴をあければ外部からfireflyにアクセスしてどこでもiTunesサーバにアクセスできるはずです。面白い使い方ができるストレージです。
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