宮廷女官チャングムの誓い　第37話　「母・皇太后」　字幕版

今回のチャングムは「この女、無駄に無謀かつ聡明な女傑」

今回の見所は

1. なぜ、チャングムは無謀な皇太后との賭けを言い出したのか?
2. なぜ、皇太后は一介の医女にすぎないものの賭けを受ける気になったのか?
3. この賭けをめぐるチェ一族/オ・ギョモ連合 vs 左賛成/チョンホ派の権力闘争はいかに?

今回はチャングムの隠れたテーマである「母親」が前面に出てきた回であり、チャングムが母親をどのようにとらえているかを理解できる回でもあります。

それにしても、中宗はやっかいな母親を持ったものです。なにしろ、中宗にとっては「最終兵器皇太后」ですからね。抵抗不可能なジョーカ的存在といえるでしょう。今後も悩まされることになるお人です。

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BS時の感想は、チャングムの誓い　第37話「母・皇太后」でどうぞ。

皇太后の治療拒否の理由

治療拒否といういい年した大人にしては、子供じみた態度に出ている皇太后。これにはチェ女官長の策略が裏にあった。 左賛成とチョンホが国防を充実させるための予算の捻出するための原資として功臣田を召し上げることにより対応しようとしていた。この政策により大きな打撃を受けるオ・ギョモはチェ女官長と結託して阻止しようとしていた。王である中宗はほぼこの政策を承認済みであったため、中宗の考えを覆せる人物ということで皇太后を利用することをチェ女官長は思いつく。以下のように工作したものと思われる。

1. 最近、変更となった担当医務官のシン・イクピルは過去に誤診をしたことがある。
2. しかも、医女の教育を巡って、シン・イクピルと激突した皇太后の親戚である儒医が免職されている。
3. これらは全て中宗の承認の元で実施されている。

中宗に対して昭格署を廃止したことを面白く思っていない皇太后に対して、上記のような事実(?)を吹き込むことにより、あとは皇太后は中宗への当てつけのために自主的に治療拒否に出たものと思われる。

中宗、シン・イクピルにとって不幸だったことは

1. 中宗と皇太后のコミュニケーション不足。中宗もそれこそ一国一城の主であるからして、多忙を極めて皇太后と話をすることはなかなかできなかっただろうし、それぞれに付いている取り巻き達により遠ざけられていたかもしれない。
2. シン・イクピルは最近、皇太后の担当医となったばかりであるため患者=皇太后との間で信頼関係の醸成ができていなかった。

このようなことにより、チェ女官長の付け入る隙ができていたと言える。

チャングムが無謀な賭けに出た理由

本来なら、身分の卑しい一介の医女が皇太后と賭けをするなんてことは問答無用で処罰されていたかと思われるが、そこはそれ・・・ドラマですから・・・・で、そのやむにやまれぬ理由とは。

• 皇太后が問題にしている儒医の免職のきっかけが、チャングムの妓生パーティ出席拒否にあると責任を感じている
• 師であるシン・イクピルが医者として、人としての命を賭けて皇太后に治療を受けさせようと真摯に訴えている姿勢に感じ入ったため
• 皇太后の矛先は左賛成とチョンホにも向かうと想定されるため、チョンホを守りたいとの思いによる
• 皇太后の態度に母親としての任務放棄を感じたため、母親には特別の思い入れがあるチャングムとしては反応してしまった。つまり、意見するというやつです。

 そして、皇太后を自分との賭けに応じさせるために、現在の状況を総括して、

「皇太后は殿下と賭けをなさっている」

と言うことで本質をえぐって見せて皇太后の関心をつなぎとめつつ、

「それなら私と賭けを」

と、さりげなく問題のすり替えを試みています。賭け金を皇太后にとってリスクの低いものにすることにより、皇太后にとって賭けの対象を変えることがメリットあることと主張します。皇太后にとってみれば今回の治療拒否は中宗に対する当てつけを実行するための方策でありチャングムの賭けに乗り換える理由はさらさらない。しかし、皇太后はチャングムの賭けに乗ります。・・・・・なぜだろう?

1. 皇太后は中宗とチキンレースわしていると図星をさされて、自分の気持ちに気づき罪悪感から賭けに乗った。
2. ここでチャングムの賭けに乗っても後でなんとでも言い訳してホゴにできると思った。
3. もともと、子供じみた人なので賭けをしてみないかと言われるとしたくなる性格だった。

どれでしょう?

決着は付かない権力闘争

チャングムの機転により皇太后に治療を受けさせることに成功するが、皇太后はすでにかなり弱っていた。そのため、薬を受け付けなくなってしまうほど体力が劣っていた。

皇太后が完治しないと左賛成、チョンホ、チャングム派の危機は抜けられない模様。

また、ヨンセンと中宗との再会もあり新たな変化を感じさせる。