「コリアン・シネマ・ウィーク2012」で上映された「建築学概論」を観てきました。「建築学概論」の上映後にはイ・ヨンジュ監督が登場して会場から質問を受け付けるというテーィーチインが約30分行われました。結構、しゃべってしまう監督でシーンに関してどんな趣旨で制作したのかを包み隠さず話された感じでした。
監督:イ・ヨンジュ
俳優:オム・テウン&ハン・ガイン&イ・ジェフン&スジ
封切:2012年3月22日
建築学概論 限定版 【韓国の映画 DVD】 [1Disc] |
日本での一般公開は来年だそうです。
ストーリー
35歳の建築家スンミンの前に15年ぶりに、ふいに現れたソヨン。スンミンにとってソヨンは初恋の人であり恋に破れた人でもあった。ところが、スンミンはソヨンに「ところでどなたですか」と聞く。イ・ヨンジュ監督が観客から本当に初恋の人を忘れていたのですかと言う突込みに対して、演出としてオム・テウンに対してあからさまに知らないととぼけるのではなく微妙な感じで知らないととぼけるように指示したとのこと。監督によるとスンミンはソヨンにちゃんと向き合えずに告白できなかった卑怯な大学生であって、社会人となって克服できたと思っていたけど克服できていなかったということを示したかったそうです。
この卑怯な男という部分ですが私にとってはうなづけるのだけどやや違和感ある決め付けかなと・・・いや、脚本作ったイ・ヨンジュ監督に喧嘩を売っても仕方ないんですけどね。
スンミンって、最初に建築学概論の授業で先輩からソヨンのことを知らされたときに一目ぼれだったと思うんですね。そして、ソヨンの後を付けて話をするきっかけを作った。さらには建築学概論で色々とテーマが出るのをソヨンと二人でデートみたいにして片付けていくというのをやっているし、ちゃんとやっていると思うんですよ。
課題のために遠くまで二人ででかけて遅くなったときに寝ている(と思っていた)ソヨンに勇気を振り絞ってキスしたし、建築学概論の講義の最後の日にソヨンの家の前で家の模型を持って待ち続けたし、初雪の日だって待ち合わせ場所に遅くなったけど行った。
でも、後一歩が足らない。「ご縁がなかった」というしかない二人の初恋。お互い初恋同士で相思相愛だったのに結ばれなかった。それはどちらかが後一歩踏み込めば確実に結ばれたはずなのにそれがなかった。
そして、15年ぶりに会ってもソヨンは夫と別居中で離婚したけど、スンミンは同じ会社の女性と結婚まで秒読み状態。その女性との結婚を振り切ってソヨンと結ばれる可能性もあったのに結局はそんなドロドロのパターンにはならずに予定調和的に会社の女性と結婚してエンディングを迎えるスンミン。
淡々としたストーリーなんだけど若い頃にスンミンと同じ思いをした男性は無数にいるはずのことを考えると、そんな男性に対してこの映画は「それでいいの? いいよね~」てなことを突きつけているのかな?
会場からの質問
驚いたのは韓国で見ましたという人が複数名いらっしゃったこと。
ソヨンが建築学概論の最終日に打ち上げに参加して酔っ払って先輩に家まで送られてそのまま一緒に先輩も家に入ったのだけど、何かあったの? という質問にはイ・ヨンジュ監督は家の中に入った後の出来事は想定していない。ここのシーンはスンミンが何かあったのか?なかったのか?と悩む場面なので監督の頭の仲に明確にこうだという結果を描いて演出するところではない。むしろ、観客一人ひとりに考えて欲しい。
また、済州島に作った家は取り壊したけど、同じ家を作っていて来年に記念館とかカフェを入れてオープン予定。観光名所にするとのこと。「建築学概論」は来年日本で公開予定とのこと。

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