チャングムの世界をもっと深く知りたい人へ
何しろ監修者まえがきに「舞台となる朝鮮王朝の歴史を知らないで「チャングム」を見てもその本当の面白さを理解することは出来ない」 と、書いてくれちゃっています。学術書っぽい、つくりなのにいいの?って思いたくなる書き方。
まずはチャングムに出てくる王様である、燕山君と中宗—本当は中宗の次の仁宗とその次の明宗もでているのだけど–の項を拾い読みする。勲旧派(=オ・ギョモね)と士林派(=趙光祖ね)との対立が解説している。その間にはさまった中宗は政治的には微妙な立場で二つの勢力を右往左往しながら生き抜いた・・・と、私は勝手に解釈。
やはり、引き込まれしまうのが王朝の創始者である、太祖=李成桂。太祖には二人の皇后がいた。一人目は神懿皇后。二人目は神徳皇后。より愛していたのが神徳皇后。何しろ、神徳皇后がなくなったときには自ら葬儀の場所を選んだり、先の皇后の息子が王朝を打ち立てるにあたって功績があったにもかかわらず、神徳皇后の息子をつけようとしたり・・・・・。
なぜに、神徳皇后をひいきにしたかというとこちらの奥様の家系が非常によろしいところで、李成桂からすると逆玉の輿状態。結婚してからどんどんと出世してとうとう最後には至高の地位を得てしまう。
李成桂が高麗王朝を打倒するきっかけが、「威化島の回軍」。勝ち目のない大国、明への戦いを命じられるが、将兵が嫌気をさしており、また、民衆も出兵を支持していないことを感じた李成桂はもう一方の司令官も同様に思っていることをひそかに知った李成桂は軍を取って返して当時の首都である開京へ向かう。まあ、反乱です。
なかなか、ドラマチックでロマンスもある。いやー面白いです。文も物語風に書いていて読みやすいです。ただし、著者序で日帝と何度も書いているのは引いてしまいますが。
これも理由があって、朝鮮王朝を滅ぼしたのが当時の日本であり、ネガティブキャンペーンにより朝鮮王朝史はゆがめられてしまったと書いている。
日本人にとっては重い話題もあるが、さらにディープにチャングムに浸るには良い一冊。

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