60年代初頭から70年代末までの韓国を描いた作品。
大統領は李承晩~朴正煕~全斗煥が描かれているがメインは朴正煕。この朴正煕の理髪師となったソン・ハンモ(ソン・ガンホ)、その妻キム・ミンジャ(ムン・ソリ)、息子ナガン(イ・ジェウン)の家族を通じて当時の世相を描いている。
ムン・ソリさんの演技を楽しめるかなと思いましたが、あくまでも助演女優としての位置づけで控えめな存在感でした。メークもかなり控えめでノーメークかしらとおもうほど庶民の妻を演じきっていました。
理髪店の主人であるソン・ハンモを演じたソン・ガンホは圧倒的な存在感でした。歴史映像である韓国大統領のアメリカ訪問に登場するなどコミカルな演技も光っていました。
大統領の顔を龍顔と表現するなど、まるで朝鮮王朝の王様のようなふるまいをしている独裁政権としたたかに生き延びる庶民の対比がとても興味深い。
最後に息子のナガンが取調べ(拷問)で歩けなくなっていたのが、逝去した大統領の肖像画の目の部分を削って菊の茶に含んで飲ませたら歩きだしたのは自由への一歩と言う象徴と思うのは考えすぎかな。
コメント
ご無沙汰しております。
ブログへのコメントありがとうございました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
私はソン・ガンホが好きで、この映画も彼のコミカルな演技が光っていて、大好きです。
重くなりすぎないような演出ですが、とっても象徴的な映画ですよね。
こちらこそ、ご無沙汰しておりました。
本年も宜しくお願いします。
この映画が描いている時代背景は重くなりがちな独裁政権時代ですが、そこをちゃんと描きながらも観させるためのコミカルさというのがほどよいバランスしていると思います。
stanakaさん、こんばんは。
この映画、冒頭の画面いっぱいに「この映画は全てフィクションです」と表示される構成が私の一番のキモでした(^_^)v
韓国近現代史を少しでも知っている人なら、すぐにわかることをあえて「フィクション」と表示することで、逆にノンフィクション性を強調しているナイスな手法です。
子供の扱い、大統領の子供の誕生パーティーに呼ばれた時おとり巻き連中の子供達にいじめられていた場面が、個人的には一番辛かったです。
最後、新しい大統領に職業人としては最大のタブー発言をした主人公が袋に詰められて叩き出されるシーンに「チャングムじゃないんだから…」とツッコミを入れてしまったのは私だけではないはず!
記事、TBさせていただきますm(_ _)m
猫型人間さん、こんばんは。
ソン・ハンモは不器用な男ですよね。切るマネくらいして終わりましたとシレッと言えばいいのにと私は思いました。
ああいう袋詰めは朝鮮の伝統なんでしょうかね・・・。