「韓流百年の日本語文学」のうち、2つの韓流ドラマがテーマになっている評論を拾い読みする。
「冬のソナタ」ブームの背景——《最初の夫の死ぬ物語》外伝 平野芳信
「最初の夫の死ぬ物語」という説話論的構造ということで論を進めている。日本の1980年代作品だと、「タッチ」「めぞん一刻」「ホット・ロード」を挙げていて(すんません、ホット・ロード知りません)、1990年代だと「Love Letter」がある。この「Love Letter」が韓国で大ブレークしたとのこと。確か小樽が一躍、韓国で知名度があがって旅行する韓国人が増えたという記憶があります。
韓国では「猟奇的な彼女」が「最初の夫の死ぬ物語」という説話論的構造を持っている。猟奇的彼女の主演女優であるチョン・ジヒョンが出演した「イルマーレ」も同じ構造を持つと指摘している。2000年のイルマーレ、2001年の猟奇的彼女、そして、2002年の「冬のソナタ」、2003年の日本での冬のソナタの大ブーム。当時はどうして「最初の夫の死ぬ物語」がこれほど受けたのか?
人々に受け入れられる物語の構造はさんなにパターン数がないからたまたまということもありえるかも知れませんね。
「韓流」高句麗ドラマに甦る日本植民地期の「大朝鮮主義史観」 ——『太王四神記』を中心に 佐々充
中国の「東北工程」と韓国の高句麗ドラマというのが最初にあげられていて、実はこの考え方は中国と韓国との間で歴史観について論争があり極めて政治的なテーマです。当ブログはあくまでも韓流ドラマのレビューをメインとしていて政治的なレビューはしていませんのでこんな考え方があるという紹介という位置づけです。
広開土王の石碑が現在では中国の領土になっているところにあるように、中国の「東北工程」では中国の東北地方で勃興した部族・民族の歴史は中国の一地方の政権の歴史として中国史に編入するというもの。当然、韓国としては受け入れられない歴史観であり、一大反対運動が起こる。
高句麗ドラマが多数作成され人気を博しているのはその流れの一貫と筆者はみている。
太王四神記でチュシン国というのが登場するが太古の東北アジアに「チュシン」という一大帝国があり、扶余・高句麗・渤海はその後裔とする考えが1918年に登場しているそうです。太王四神記は大朝鮮主義史観をモチーフとして採用した物語と筆者は書いている。
大朝鮮主義史観という言葉で検索するとあまりヒットしませんが、使ってよい言葉かどうか不明でやや不安。

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